「陽性強化によるトレーニング法」などといった言葉を、謳い文句にしているドッグトレーナーやしつけ教室も 
      多く見受けられます。 
      陽性という言葉が、陰性という言葉に対して、あるいは強化という言葉が、罰という言葉に比べて単に語感が 
      良いだけのことであって、陽性強化トレーニングが犬に優しいトレーニング方法を意味するのではありません。 
       
      行動分析学の用語としての「陽性」は、単に「出現」という意味であって、陽気や、明るいといった意味合いは 
      ありませんし、「強化」という語に、良くなるといった意味合いもありません。  
      また、行動分析学においては「良い行動」と「悪い行動」とを区別しませんから、変な例えをあげれば、 
      ぶん殴って、吠えるように教え込むのも陽性強化です。  
       
      ドッグトレーニングに関して行動分析学の用語が使われる際、無意味に混乱を招く日本語訳がされていますので 
      注意が必要です。特に、陰性の強化(負の強化)について間違えた説明が多いようです。  |