あなたが犬にさせたくない行動というのが、犬にとって、本能的にしてはいけない行動であるのならば、  
                    それは犬同士で行動させることによって、その関わりを通して身に付けるかもしれませんし、 
                    成長につれて自然に身に付ける事があるかもしれません。  
                     
                    しかし、あなたが教えたい、多くのさせたくない行動というのは、 
                    犬にとっては、本来することが当たり前の行動である場合がほとんどなのです。  
                    単にあなたが犬にしてもらいたくないだけで、すなわち、あなたにとって都合が悪い行動なのであって、  
                    吠えることも跳び付くことも、咬み付くことも何かを追いかけて走ることも、どれも犬にすれば、生育の過程で、日常の学習によって身に付ける行動であったり、本能に基づき自発的に行なう行動であったりするのです。
                           
                     
                    さらにこうした行動の多くは、犬自身が行なう事によって、充足感という快刺激を得るのです。  
                    つまり、人間が無視したところで、犬には、よいことが起きているのです。 
                    犬に「吠えたい」という欲求があれば、犬は吠えることによりその欲求を満たされるのです。  
                    そして、その欲求を満たしてやれば、次はさらに「もっと吠えたい」という欲求が芽生えてくるのです。  
                     
                    「まだ」「そのうちに」「大きくなれば」「自然に」という言葉を好んで使う、犬に優しい人がいますが、  
                    犬が自然に身に付けるものは、イヌの本能に基づく行動です。  
                    自然に、まったく犬なりに自由にさせていたら、犬ではなくイヌになります。  
                    あなたが望んでいることは、ある意味、犬からすれば自然ではないことなのです。 |